その会社では既存アプリケーションのリプレースプロジェクトを全社的に取り組んでいました。

新規アプリケーションの実装が終盤に差し掛かり、データ移行プロジェクトが立ち上がりました。

「旧データと新データのマッピングはもうできているから、移行用のSQLを作って」

データ移行時にはデータのマッピングが非常に問題になるのですが、今回は既にその部分がクリアできているようです。

これであれば簡単にデータ移行できそうです。

約3ヶ月後、移行用SQLが全て完成しました。あとはこれを実行するだけです。

「旧データと新データのマッピングが間違っていたから全て作り直しね」

データ移行プロジェクトは当初から3ヶ月を予定していたため、作り直しとなると更に3ヶ月掛かることになります。

ですが、最早選択権はありません。再度移行SQLを作ることになりました。

何が正しいか誰もわからない

今回の問題は、旧データと新データのマッピングをどうすれば良いか誰も知らなかったことです。

特に、既存システムが長年運用されていたり、規模が大きかったりするととても人間の手には負えません。

このプロジェクトではデータの変換も移行時に行う予定だったのですが、何が正しいのか誰もわからないのであればそれどころではありません。

データをコピペすることは簡単ですが、そのデータが正しいことを検証するのは簡単ではありません。

このようにしてデータ移行プロジェクトは失敗していきます。